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教育

2021年00月00日

子育てにかかる費用相場はいくら?年齢別の必要金額や負担軽減する制度を解説

子どもの成長にあわせて、教育費や養育費などの子育て費用は増加します。いくらかかるのか早めに目安の費用がわかると、対策しやすいですよね。そこで今回は、子育てにかかる費用相場の目安を紹介します。負担軽減のために活用したい制度もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

子育ての費用には何がある?必要な項目をチェックしよう

子育てにかかる費用は、大きく養育費と教育費に分けられます。養育費は、教育費も含めた「子どもが成長する過程で発生するすべての費用」です。

教育費は、学校の授業料など教育に特化した費用のことを指します。当記事では、この2種類の費用相場や公的支援制度について紹介していきます。年齢別にかかる費用相場もまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

養育費とは子どもが大きくなるために必要なお金全般

法務省による養育費の定義とは、次の通りです。「子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれにあたります。」[注1]

具体的な項目は、内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査報告書」の調査項目を参照します。[注2]

養育費に含まれる主な項目

養育費に含まれる主な項目

  • 衣類・服飾雑貨費
  • 食費
  • 生活用品費
  • 医療費
  • 保育費
  • 学校教育費
  • 学校外教育費
  • 子どもの携帯電話料金
  • おこづかい
  • お祝い行事関連費
  • 学校外活動費
  • 子どものための預貯金・保険
  • レジャー・旅行費

上記のように、養育費には子どもが成長するために必要となる費用が含まれます。子どもの携帯電話料金やおこづかいなどの月額費用は少なくても、長期的にみると大きな金額となります。

お祝い行事関連費とは、誕生日や入学祝い、七五三の記念写真代などです。成長に応じた節目のお祝いに関する出費で、こちらの費用は住んでいる地域によってかかる費用相場は異なります。

教育費とは子どもの学習や教育に特化した費用

教育費とは、養育費の中でも子どもの教育にかかる費用だけを抜粋したものです。前述の養育費に含まれる項目では、「学校教育費」「学校外教育費」「学校外活動費」が該当します。

学校教育費は、学校の入学費や授業料、給食費、教材費、修学旅行費などが含まれます。また、学校外教育費には、自宅学習用の教材購入費や学習塾の費用、家庭教師や通信教育費が含まれています。

学校外活動費は、水泳や英会話など学習塾以外の習い事の費用のほか、ホームステイや留学でかかる費用も該当します。

子育ての費用相場とは?年齢別の平均費用を紹介

子育てをしていく中で、いつどのくらいお金がかかるのか気になりますよね。ここからは、子育てにかかる費用の相場について、年齢別に紹介していきます。

0歳から中学校卒業までにかかる費用

内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」では、0歳から中学校卒業までの子育てにかかる費用が公表されています。年齢別に発生する年間の平均費用は、以下の通りです。[注2]

段階別・一人当たりの年間子育て費用

未就園児 保育所・幼稚園児 小学生 中学生
衣類・服飾雑貨費 68,754円 66,462円 68,970円 76,507円
食費 166,387円 224,627円 278,294円 356,663円
生活用品費 149,425円 92,522円 83,419円 97,139円
医療費 11,867円 13,462円 21,791円 22,624円
保育費 62,790円 379,407円 19,268円
学校教育費 105,242円 274,109円
学校外教育費 15,635円 30,784円 106,089円 248,556円
学校外活動費 11,449円 43,179円 94,985円 57,337円
子どもの携帯電話料金 21円 127円 3,823円 23,453円
おこづかい 487円 1,318円 9,605円 39,022円
お祝い行事関係費 59,882円 41,066円 31,974円 33,539円
子どものための預貯金・保険 199,402円 187,212円 163,037円 179,910円
レジャー・旅行費 97,127円 136,383円 167,044円 146,710円

年代ごとに負担となる出費には差がある

子どもの成長に応じた子育て費用の相場では、年齢別にみても費用負担の大きい項目であることがわかります。

小学校入学前では、全体の出費のうち食費の割合が大きくなっています。保育所・幼稚園児の「保育費」は、小学校以降の「教育費」に近い出費といえるでしょう。

保育所・幼稚園から小学校や中学校に進級すると、教育費の出費が大きいのがポイントです。なかでも、小学生と中学生では「学校教育費」と「学校外教育費」の出費が、ほぼ同額程度発生しています。

さらに、中学生になると家計のうち食費負担も大きくなるため、兄弟姉妹が複数いる場合は家計管理の面でも工夫が必要となるでしょう。

一方、「子どものための預貯金」と「レジャー・旅行費」の出費は、未就園児から中学校までほとんど横ばいで推移しています。この2種類のうち「子どものための預貯金」に関しては、年齢別にみても年間18万円前後が相場となるでしょう。

子ども関連費の負担軽減につながる公的支援制度

内閣府「令和4年版少子化社会対策白書」では、少子化対策の具体的実施状況のひとつとして経済的支援や心理的肉体的負担の軽減について紹介されています。いずれも、多様化する子育て家庭のさまざまなニーズに応える目的とし、以下のような支援について掲載されています。[注3]

少子化社会対策白書掲載の公的支援制度

  • 児童手当
  • 幼児教育・保育の無償化
  • 高等学校等就学支援金制度
  • 高校生等奨学給付金

ここからは、年齢別に受け取れる公的支援制度を紹介するので、少子化社会対策白書に掲載されている種類をおさえておきましょう。

児童手当

児童手当とは、0歳から中学校修了までの約15年間にわたって受け取れる手当です。年齢に応じて次の金額が受け取れます。

児童手当・1人当たり月額支給額

  • 3歳未満 一律15,000円
  • 3歳以上小学校修了前 一律10,000円(第3子以降は一律15,000円)
  • 中学校 一律10,000円

児童手当は、親の年収が960万円未満である場合に上記の金額がもらえます。所得制限が設けられているため、高所得世帯では児童手当がもらえない(または減額)されることがある点は注意が必要です。

なお、児童手当をすべて貯金した場合は約200万円になります。将来の子育て費用のために貯金する方法や、必要なときにいつでも使える子ども用の資金として備える貯金方法もおすすめです。

幼児教育・保育の無償化

幼児教育・保育の無償化は、3歳から5歳までの子どもと0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもが対象です。該当する場合、幼稚園・保育園・認定こども園などの利用料が無償となります。また、小学校就学前の障害児における発達支援も無償化の対象です。

高等学校等就学支援金制度

高校で発生する授業料を対象とした「高等学校等就学支援制度」があります。保護者の年収が目安として910万円未満の世帯に対し、年額118,800円を支援している制度です。私立高校の場合は、年収590万円未満の世帯を対象として、最大で年額396,000円を支援しています。

高校生等奨学給付金

住民税非課税世帯などの場合、授業料以外の教育費をサポートするために「高校生等奨学給付金」があります。この場合の授業料以外とは、教材の購入費用や教科外活動費などを指します。高校生等奨学給付金の対象となる世帯の種類と給付額は、以下の通りです。

高校生等奨学給付金

  • 生活保護受給世帯(国公立) 年額32,300円
  • 生活保護受給世帯(私立) 年額52,600円
  • 非課税世帯(第1子・国公立) 年額114,100円
  • 非課税世帯(第1子・私立) 年額134,600円
  • 非課税世帯(第2子以降・国公立) 年額143,700円
  • 非課税世帯(第2子以降・私立) 年額152,000円
  • 非課税世帯(通信制・国公立) 年額50,500円
  • 非課税世帯(通信制・私立) 年額52,100円

子ども向け医療費助成は自治体独自の制度

内閣府の少子化社会対策白書には掲載されていませんが、子ども関連の費用負担軽減として医療費助成があります。子ども向けの医療費助成制度は、自治体が主体となって実施しています。そのため、住んでいる地域の子ども医療費助成について調べておくと安心です。

なお、富山市の子ども医療費助成は現物支給となっており、医療機関窓口での支払いはありません。助成内容は保険診療の自己負担部分で、食事療養費は除きます。対象となるのは0歳から中学3年生までで、入院と通院どちらも対象です。

学資保険や積立預金も子育て費用のサポートになる

これまでに、子育て費用の負担軽減として公的な制度を紹介しました。ここからは、金融機関で実施している負担軽減につながる制度を紹介します。公的な制度と併用することで、さらに負担軽減につながりやすくなります。

ここから紹介する種類の制度を上手く活用し、自分に合った貯金方法を見つけましょう。

学資保険で親の万が一でも養育費が残せる

前述した内閣府の調査結果に基づく子育て費用のなかで、「子どものための預貯金・保険」に関しては年額18万円ほど捻出している世帯が多いことがわかりました。子どものための保険とは、学資保険や子ども保険など、子どもだけが加入できる保険の種類です。

学資保険は、通常の生命保険商品よりも貯蓄性が高い傾向にあります。一般的な生命保険は、病気やケガなど万が一の収入途絶を補うための商品です。一方、学資保険は将来発生する教育費負担を少しでも軽減するために、資金を確保する目的の商品です。

ここが、通常の生命保険と学資保険の大きく異なる点でしょう。

また、学資保険は契約者保険料免除特約が付加されている特徴があります。学資保険における契約者は、基本的に親の内どちらかです。この契約者が、万が一死亡または高度障害状態になった場合、以降の学資保険の保険料は免除されます。

さらに、免除後も学資保険契約は有効に継続するため、満期時にはまとまった教育資金を受け取れるのです。

通常の預貯金では、親が死亡または高度障害状態になった場合に貯金ができなくなると、お金は貯まりません。一方、学資保険ではこのような場合でも確実に教育資金を残すことが可能です。

加入年齢など条件によりますが、学資保険は数千円の掛金から加入できます。このことから、学資保険は預貯金などと並行して加入すると安心でしょう。

成長に応じた積立預金を活用しよう

成長に応じた積立預金も活用したい制度です。「子どもの成長の節目までにいくら貯める」という目標を立て、計画的に積立預金をすることで、実際に子育て費用が必要になった際も負担が少なくて済みます。

北陸銀行では積立定期預金をご用意しています。積立金額は5,000円から設定でき、指定した日にちごとに毎月自動的に積み立てが可能です。

北陸銀行の積立定期預金

学資ローンで備えて安心

万が一、備えていた資金以上に子育て費用がかかりそうな場合は、子どもの教育資金を目的とした金融商品があります。北陸銀行の学資ローンでは、いつでも必要なときに借入できるカードローンタイプと、一括で借入するタイプがあります。

返済期間は最長15年まで設定できるため、毎月の返済額とのバランスも考えながら借入できます。また、北陸銀行Webサイトではローンシミュレーションも利用可能です。ご不明点やご相談は、お気軽にお近くの北陸銀行窓口までお立ち寄りください。

北陸銀行の学資ローン

子育てにかかる費用は早めに知っておこう

子育て費用は、食費や衣服費、日用生活費をはじめとして教育関連費など種類は多岐にわたります。特に、大学費用は文系か理系かによっても教育費は大きく異なるため、将来の子育て用にも早めに貯金したいですよね。

子育て費用の負担軽減になる公的制度や金融商品は、活用するだけで貯金の一部になります。そのため、当記事で紹介した制度や商品を参考に確実に貯金していきましょう。また、子育てに関する金融商品のご相談は、お気軽に北陸銀行までお越しください。


  • [注1](法務省)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00016.html
  • [注2]「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査報告書」(内閣府)https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_hiyo/pdf/gaiyou.pdf
  • [注3]「令和4年版少子化社会対策白書」(内閣府)https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2022/r04webhonpen/html/b2_s1-2-1.html

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◎著者

大野 翠(おおの みどり)

芙蓉宅建FPオフィス代表

金融業界歴12年目(2022年時点)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。