北陸銀行

教育

2021年00月00日

大学までの教育費用はいくら貯めるべき?必要な金額や無理なく貯蓄する方法を伝授

子ども1人あたり、大学までの教育資金としていくら貯めたらよいのでしょうか。まだ幼い子どもの将来の進路はわかりませんが、わからないからこそ費用面だけでも備えておくと安心です。そこで当記事では、大学進学までの必要な金額や負担なく貯蓄する方法を紹介していきます。

どうやってお金を貯めている?年代別に保有金融資産を紹介

子どもの教育資金を用意するために、どのような貯蓄方法を実践しているのか気になりますよね。そこで、同年代の人がどのような方法で貯蓄しているのかをデータに基づいて確認してみましょう。

全ての年代で現金預貯金がもっとも多い

金融広報中央委員会「知るぽると」による「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和3年調査結果」では、年代別で貯蓄に関するデータが調査・公表されています。

同調査の対象となっている20代から70代まで、全ての年代で預貯金を保有している人が最も多く、いずれも9割を超えています。[注1]

年代別・現在保有している金融商品について

それでは、どのような金融商品をどれくらいの割合で保有しているのかを具体的にみていきしょう。金融広報中央委員会の調査結果を基に、一般的な子育て世代に該当する年齢のデータを抜粋して紹介します。[注1]

20歳代が保有している金融商品とその割合

  1. 預貯金 95.9%
  2. 積立型保険商品 25.9%
  3. 投資信託 22.9%
  4. 個人年金保険 21.2%
  5. 株式 18.8%

30歳代が保有している金融商品とその割合

  1. 預貯金 96.6%
  2. 積立型保険商品 42.0%
  3. 株式 32.5%
  4. 投資信託 29.3%
  5. 個人年金保険 25.6%

40歳代が保有している金融商品とその割合

  1. 預貯金 96.9%
  2. 積立型保険商品 37.5%
  3. 株式 28.5%
  4. 個人年金保険 25.9%
  5. 投資信託 24.9%
財形貯蓄や債券を保有している人が少ない

調査で回答された内容のうち、保有している割合が多いものからランキング形式で紹介しました。いずれの年代も順位が異なるだけで、保有している商品として多いものは同一ということがわかります。

これらの他に財形貯蓄や債券なども回答項目にあげられていますが、上位5商品と比べるといずれもかなり少ない印象です。たとえば、財形貯蓄では勤務先からもらう給与から天引きされるため、貯金の方法としては効率が良い仕組みとなります。そのため、まずは自身の勤務先に財形貯蓄制度があるかを確認しておきましょう。

大学までにいくらかかる?教育費用の平均とは

子どもの教育費を考えるうえで、大学卒業までの教育費用総額をひとつの目安とする方法があります。詳しくは後述しますが、大学卒業までのすべての教育資金を家計から捻出するのではなく、実際には適宜利用できる制度などの活用も考えながら進めていきます。

そのためにも、まずはどのくらいの金額がかかるのかをここで確認しましょう。

授業料以外にも習い事や塾の費用も想定しておこう

子どもの教育費は、高校や大学など通うために発生する授業料や入学金だけではありません。学校外で通わせる学習塾や、スイミングや音楽教室など習い事もあります。いくら貯めるのか分からない方は、学校へ通う費用以外の出費も予定し、平均費用より少し多めに備えておくと安心です。

大学卒業までにかかる平均費用

大学卒業までにかかる平均費用を確認してみましょう。幼稚園から高校までの平均費用は、文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」を、大学の平均費用については日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」を参照します。[注2][注3]

オール公立で高校卒業までに約543万円かかる

  • 幼稚園 年間約22万円×3年=約66万円
  • 小学校 年間約32万円×6年=約192万円
  • 中学校 年間約49万円×3年=約147万円
  • 高校 年間約46万円×3年=約138万円

オール私立で高校卒業までに約1,833万円かかる

  • 幼稚園 年間約53万円×3年=約159万円
  • 小学校 年間約160万円×6年=約960万円
  • 中学校 年間約141万円×3年=約423万円
  • 高校 年間約97万円×3年=約291万円

大学卒業までにかかる平均教育費(入学費用+4年分在学費用)の平均費用

  • 国公立大学 総額約483万円(入学費用・約67万円+1年の在学費用・約104万円×4年)
  • 私立文系大学 総額約690万円(約82万円+約152万円×4年)
  • 私立理系大学 総額約821万円(約89万円+約183万円×4年)

ここまでのデータをまとめると、幼稚園から大学卒業まですべて国公立大学に進学した場合、教育費の総額は約1,026万円です。一方、すべて私立に進学した場合は、文系大学では約2,523万円、理系大学では約2,654万円の費用が必要となります。

また、上記の費用は教育費用のみです。そのため、大学で自宅外通学になる場合の住宅費・生活費や、遠方へ通学する場合の交通費などは含まれていません。進学を希望する学校によっては、上記の教育費用よりも家計から捻出する費用は増加することも考えられるでしょう。

大学までに準備しておきたい費用の目安

将来、子どもが私立大学と国公立大学のどちらに進学しても良いように、費用面の用意をしておくことが理想です。しかし、実際は子どもがある程度成長するまでどのような進路へ進むかわかりませんよね。

そこで、まずは当面の目安としてどのくらい教育資金を準備したらよいかみていきましょう。いくら貯めるのか想定しておくことで、実際に費用が必要となった場合も焦らずにすみます。

400万円をひとつの目安にしよう

先述したように、大学卒業までの教育資金としてすべて国公立の場合では約1,000万円の費用がかかり、すべて私立の場合では約2,500万円ほど費用がかかることがわかりました。この全額費用を、子どもの成長に合わせて貯蓄していくことは容易ではありません。

そこで、一つの目安として高校卒業までに400万円の費用を貯めることを目標にしてみましょう。400万円とは、おおよそ大学の入学金(初年度納入金など)と1~2年分の授業料にあたります。いくら貯めるのか判断がつかない方は、この金額を目安に貯蓄の計画を立ててみましょう。

大学までにかかる教育費用を無理なく準備する方法とは

大学入学までにいくら貯めるかの目標設定は、「子どもの進路や進学先がはっきりしてからでも良いのでは…」と思う方もいるでしょう。しかし、先の進路に柔軟に対応するためには、1日でも早く貯蓄など対策を始めたほうが良いといえます。

そこでここからは、大学進学までにかかる教育費用を無理なく準備する方法について解説していきます。さまざまな方法があるため、いくら貯めるか定まっていない方は自身が取り組みやすい方法から始めてみましょう。

児童手当を全額貯蓄すると約200万円

児童手当は、中学生以下の子どもがいる世帯に給付されるお金です。次のように、年齢に応じてもらえる金額は異なります。

成長段階に応じた児童手当の金額(月額)

  • 3歳未満 15,000円
  • 3歳から小学校卒業まで 10,000円(第3子以降は15,000円)
  • 中学生 10,000円

0歳から中学校卒業までにもらえる児童手当は、総額約200万円になります。また、第2子まではこの金額ですが、第3子以降はもう少し増えます。

しかし、児童手当には所得制限が設けられているため、高所得世帯では児童手当がもらえない(または減額)されることがあるので注意が必要です。

無理のない貯蓄方法とは

子どものために貯蓄したいと考える一方、教育資金の捻出以外に日々の生活費や住居費なども発生しますよね。ここからは、少しでも普段の生活を継続しながら、家計に無理な負担のかからない貯蓄方法について紹介していきます。

銀行の定期預金や自動積立預金

銀行の定期預金や積立預金は、日常生活で利用する普通預金口座より少し金利が上乗せされています。そのため、お金を確実に貯めていくために活用したい口座です。

定期預金口座は自分でお金を入金し一定期間預け入れをしておく口座です。満期まで預けるのが原則のため、お金が必要となるときまで確実に貯めておくことが可能です。

また、自動積立預金は、予め設定した金額を一定のタイミングで自動的に別の貯蓄目的の口座へ積立するものです。自分でお金を入金する手間が省け、強制的にお金を貯めることが可能です。

学資保険で備える

学資保険で将来の教育資金に備える方法もあります。学資保険は生命保険のひとつであるため、保障面でも安心です。

ただし、学資保険は加入できる子どもの年齢が6歳まで(小学校入学まで)とされていることが多いので、注意が必要です。そのため、もし子どもが小学校入学前で学資保険の対象である場合は検討しても良いでしょう。

学資保険の仕組みとしては、毎月の保険料を積み立てていき、満期時にまとまった金額が受け取れるというものです。商品によっては、満期時の受け取りの他に、成長の節目でお祝い金として一時金を受け取るものもあります。

学資保険は、契約者保険料免除特約を付加することも可能です。学資保険の契約者とは親を指します。学資保険の契約者となっている父親あるいは母親が死亡、または高度障害状態になった場合は以降の保険料は発生しません。

その後の学資保険は、当初の契約内容通りに満期金や祝い金の給付があります。つまり、学資保険は親に万が一のことがあり貯蓄できなくなっても、子どものための資金は確実に遺せるということです。

奨学金や教育ローンも選択肢のひとつ

0歳から中学卒業まで、児童手当をすべて貯蓄すると約200万円になると先述しました。しかし、すでに子どもが成長しており、「今から児童手当をすべて貯めても200万円に及ばない…」という場合もあるでしょう。

そのような場合は、臨機応変に対応して児童手当や家計からの貯蓄以外にも使える制度を活用しましょう。

教育資金対策でおすすめの制度は「奨学金」と「教育ローン」です。奨学金は、国や自治体単位で子どもの教育資金として貸し付けするものです。一部の私立大学では、大学が母体となり独自の奨学金を提供していることもあるため、入学前に調べることをおすすめします。

教育ローンは、銀行など金融機関が教育資金を目的として提供しているサービスです。北陸銀行では「学資ローン」といいます。

北陸銀行の学資ローンは2タイプで、必要な都度で借入可能なカードローンタイプの商品と、一括借入が可能な商品があります。いくら不足するのか家計状況に合わせて、利便性の高い方を検討してみましょう。

毎月1万円コツコツ貯蓄で大学費用に備えよう

一気にまとまったお金を貯蓄するより、毎月コツコツ継続して貯蓄するほうが家計への負担は軽減されます。まずは、家計の中から毎月確実に捻出できる貯蓄額を算出してみましょう。ここからは、子どもの進学のために毎月1万円貯蓄するメリットについて解説します。

毎月1万円の貯蓄をすると18年で216万円貯まる

毎月コツコツ1万円ずつ貯蓄すると、金利は関係ないものとして計算しても総額216万円です。たとえば、普通預金より金利の高い定期預金や自動積立などを利用すると、これよりも少し総額が増えます。

児童手当を全額貯めると200万円ほどになると紹介しましたが、この200万円と毎月1万円の貯蓄で、18歳までに400万円以上は貯まります。負担のない範囲で継続的に貯蓄することをおすすめします。

NISA制度を活用した長期運用も方法のひとつ

毎月1万円ずつ貯蓄する場合、積立預金などの銀行の預金商品を活用すると、確実に貯蓄できる一方、金利が低く、お金が増えにくい点もあります。
大学の教育費用が必要となるまでにまだ時間があり、少しでもお金を増やしたい場合は、NISA制度を活用した積立投資も検討できるでしょう。

より安定した運用結果を目指すには、少額ずつ長期的に積立運用することがポイントです。したがって、まだ子どもが幼く10年以上の長期運用が可能であれば、NISA制度を活用した積立投資を行うことで、お金を増やしながら貯めることが可能です。

NISA口座で発生した運用益は、非課税になります。2024年からのNISA制度は非課税での運用期間が無期限のため、必要に応じて途中で引き出すこともできます。

仮に月1万円を運用した場合、いくらになるか金融庁「資産運用シミュレーション」で計算してみました。なお、毎月1万円ずつ貯蓄した場合の元本は216万円です。[注4]

毎月1万円を18年運用した場合のシミュレーション

  • 年率1%で運用した場合 2,365,532円
  • 年率3%で運用した場合 2,859,403円
  • 年率5%で運用した場合 3,492,020円

なお、投資信託はお金を増やすことを期待できる一方で、元本割れのリスクも伴う点は注意が必要です。

年率1〜3%の運用であれば、比較的リスクの少ない金融商品の組み合わせでも目標とできます。5%の運用結果を目指すのに、初心者というよりもこれまで運用経験のある人が良いでしょう。北陸銀行では、NISA制度に関するご相談も承っています。ぜひお気軽にお声かけください。

まとめ

大学までの教育費用は、少なくとも400万円は準備しておきたい金額です。私立大学や国公立大学など明確な進路が決まっていない場合でも、目安として400万円を貯蓄すると大学入学資金と1~2年の在学費用に充当できます。

ただし、進学先によっては教育費用だけでなく通学費や一人暮らしの生活費などが必要な場合もあります。そのようなことも想定して、毎月コツコツ一定金額を貯蓄できるようにしましょう。


  • [注1]「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和3年調査結果」(金融広報中央委員会)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/)
  • [注2]「平成30年度子供の学習費調査」(文部科学省)(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)
  • [注3]「教育費負担の実態調査結果(2021年12月発表)」(日本政策金融公庫)(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf)
  • [注4]「資産運用シミュレーション」(金融庁)(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/)

◎著者

大野 翠(おおの みどり)

芙蓉宅建FPオフィス代表

金融業界歴12年目(2022年時点)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。