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ローン

2021年00月00日

住宅ローン完済後も要注意!必要な手続きや発生する費用を紹介

無事に住宅ローンを完済したら、抵当権や火災保険の質権を抹消する必要があります。
それだけではなく、不動産に関する費用が発生する点にも注意が必要です。
この記事では、住宅ローン完済後に必要な手続きや完済後も発生する費用について解説します。

住宅ローン完済後に必要な手続き

住宅ローンを完済すると、毎月のローン返済からの解放感や安心感を得る方は多いでしょう。

しかし、住宅ローン完済後は抵当権と火災保険の質権を抹消する手続きを行う必要があるので、事前に確認をしておきましょう。

抵当権の抹消手続き

住宅ローンの契約を締結したとき、購入した不動産に対して「抵当権」が設定されます。抵当権とは、金融機関が融資したお金を回収できなくなるリスクに備えて設定する権利です。

抵当権を設定することで、債務者(お金を借りている人)がローンを返済できなくなったとき、債権者(お金を貸している人)は不動産を売却して得られたお金から優先的に返済を受けられます。

多くの銀行では、住宅ローンの契約には抵当権の設定が条件となっており、完済するまで継続します。なお、住宅ローンを完済すると自動的に抵当権が抹消されるわけではなく、ご自身もしくは専門家に依頼し、手続きを行わなければなりません。

住宅ローンの完済後、抵当権抹消に必要な書類を金融機関から郵送または店頭窓口にて受け取ります。法務局で抵当権抹消の手続きをする際に必要になるため、大切に保管しましょう。[注1]

抵当権抹消の手続きを怠ると、不動産を売却しようとしたときに買い手が見つかりにくくなるデメリットが生じます。抵当権が設定されていると、「抵当権が行使されて不動産を失うかもしれない」と思われるためです。

住宅ローンを完済したら、速やかに手続きを済ませましょう。


  • [注1] 法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」https://houmukyoku.moj.go.jp/tsu/content/000135754.pdf

火災保険の質権抹消手続き

火災保険に「質権」が設定されている場合は、質権を抹消する手続きを行います。火災保険の質権とは、金融機関が住宅ローンの対象となっている不動産が火災で滅失してしまう事態に備えて設定する権利です。

金融機関は火災保険金に対して質権を設定することで、融資したお金を回収できなくなるリスクに備えています。住宅ローンを完済したら、抵当権と同様に質権を抹消する手続きを行いましょう。

住宅ローンを完済すると、金融機関から保険証券と質権消滅承認請求書が届きます。書類が届いたら保険会社に連絡し、質権を抹消する手続きを進めましょう。

完済後も要注意!住宅ローン完済後に発生する費用

住宅ローンの完済後はローンのプレッシャーから解放される方も多いと思いますが、不動産に関して発生する費用を住宅ローン完済後にも支払う必要があります。

以下で、住宅ローン完済後も発生する費用を解説します。

固定資産税

固定資産税とは、土地や建物をはじめとした固定資産を所有している人に対して課せられる税金です。総務大臣が定めた基準に基づいて市区町村の長が固定資産の「課税標準額」を決定し、1.4%を乗じた金額が納める固定資産税となります。[注2]

また、市街化区域内にある不動産は、固定資産税とあわせて都市計画税が発生する点も押さえておきましょう。都市計画税の税率は0.3%となっており、固定資産税とあわせて1.7%を市区町村に納める必要があります。[注3]

市区町村から毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見れば、固定資産税評価額や税額を確認できます。


  • [注2] 総務省「固定資産税」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html
  • [注3] 総務省「都市計画税」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_16.html

修繕費用

住環境を維持するためには、必要に応じて修繕を行わなければなりません。計画的に修繕費用を用意しないと、必要なときに修繕を行えない恐れがあります。

マンションの場合は支払っている管理費に修繕費用が含まれているケースが多いものの、戸建ての場合は自分の判断で計画的にお金を用意する必要があります。

大規模な修繕を行う場合は一度で100万円以上の費用がかかることもあるため、修繕費用は必ず想定しておきましょう。

火災保険料

住宅の新築・購入時に火災保険に加入されている方は多いと思いますが、住宅ローン完済後も火災保険への加入を継続される場合には火災保険料の費用が発生します。

一般的に、火災保険料の相場は地域によっても差がありますが、年間15,000円~2万円程度です。保険に加入し続ける限り、毎年発生する点は押さえておきましょう。

まとめ

住宅ローンを完済すると、毎月の返済がなくなるので、家計に余裕が生まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。心理的にほっとする方も多いと考えられますが、抵当権や火災保険の質権を抹消する手続きを忘れずに済ませましょう。

また、住宅ローン完済後も固定資産税や火災保険料など、定期的に発生する費用があります。とはいえ「今まで支払っていた住宅ローン」と「固定資産税をはじめとした一連のコスト」を比較すると、今まで返済に充てていた費用が浮くので、しっかりとお金の使い方を考えましょう。

住宅ローン完済を機に、老後の資産形成について見直してみてはいかがでしょうか。詳しくは「住宅ローン完済後は家計を見直そう!余剰資金の上手な使い方」の記事で触れているので、そちらもご覧ください。