老後へのそなえ
2021年00月00日
日本人の平均寿命が延び、「人生100年時代」に突入するといわれる中、気になるのが老後にもらえる年金額です。セカンドライフにゆとりある暮らしをするためには、一定のお金が必要ですが、年金はいくらもらえるのでしょうか。この記事では、公的年金の受給額の計算方法や、年収・家族構成別のシミュレーションを紹介しつつ、年金だけでどのくらい老後資金を賄えるのかを解説します。
老後にもらえる年金ですが、一般的に、「3階建て構造」といわれています。公的年金である「国民年金」が1階部分、会社員・公務員が加入できる「厚生年金」が2階部分、3階部分は公的年金ではなく、被保険者が任意で加入し、公的年金に上乗せする「私的年金」です。なお、自営業や専業主婦・主夫に相当する第1号被保険者、第3号被保険者に関しては、2階部分の厚生年金がないので、私的年金は2階部分にあたります。
国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。一方、厚生年金は会社員・公務員の方が加入でき、国民年金とセットで支給される制度です。
私的年金は、あらかじめ給付額が決まった「確定給付型」と、掛金の運用次第で給付額が変動する「確定拠出型」の2種類があります。
公的年金にかぎると、日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てになっています。公的年金だけで老後資金を賄えない場合は、私的年金を利用する必要があります。
それでは、公的年金はどのように算出されるのでしょうか。すべての人が加入する国民年金、会社員・公務員が加入する厚生年金の計算式を解説します。
まず、国民年金の計算式は以下の通りです。
年間受給額=781,700円(2020年度の国民年金の満額)×保険料の納付月数÷480か月
国民年金の保険料の納付可能期間(月数)は、20歳から60歳までの480か月(40年×12か月)です。つまり、国民年金の受給額が満額の781,700円となるのは、一度も免除を受けず、480か月(40年)保険料を支払った場合です。なお、繰り下げ受給を行う場合は上記の計算式に0.7%×繰り下げ月数を乗じたものが受給金額となり、期間に応じて異なります。
厚生年金の場合、保険料の納付月数だけでなく、年収によっても受給額が変わります。そこで、大学卒業後に38年間(23歳~60歳)保険料を支払ったケースを想定し、退職時点の年収別に年金受給額をシミュレーションしました。[注1]
なお、厚生年金の受給金額には上限が設けられています。現時点で年収800万円を超えている方は、年収800万円の受給金額の欄を参照してください。
次に、家族構成別に年金受給額をシミュレーションします。国民年金に40年間(20歳~60歳)、厚生年金に、大学卒業後38年間(23歳~60歳)加入したケースを想定します。
なお、国民年金については2020年度の満額支給額である年間78万100円を12ヵ月で割った、約6.5万円でシミュレーションしています。
※以下のシミュレーション結果はあくまで試算であり、概算金額を示唆・保証するものではございません。
会社員(年収500万円)と主婦の夫婦の場合、年金受給額は以下の通りです。
会社員(年収500万円)と公務員(年収400万円)の共働き夫婦の場合、年金受給額は以下の通りです。
厚生年金に加入しない自営業の夫婦の場合、年金受給額は以下の通りです。
会社員(年収500万円)の単身者の場合、年金受給額は以下の通りです。
老後の生活に備えるためには、国民年金と厚生年金の受給金額をシミュレーションし、しっかりとライフプランニングを行わなければなりません。老後資金を確保するうえで、日本の公的年金制度はどのくらい頼りになるのでしょうか。まず、一般的な老後生活に必要な生活費をシミュレーションしてみましょう。
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2019年」によると、老後の夫婦2人の平均的な生活費は1か月あたり約27.0万円です。[注2]一方、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(2019年度)」によると、夫婦2人でゆとりある老後生活を送るために必要なお金は、平均36.1万円/月です。[注3]
ここで、先ほどの年金受給額のシミュレーションを見てみましょう。
なお、会社員の単身者のケースのみ、生活費を2分の1で計算しています。
上記のシミュレーションからわかる通り、公的年金のみに頼って老後資金を賄うのは困難である場合が少なくありません。「会社員と専業主婦の夫婦」のケースでは、平均生活費を賄ううえで、毎月約6.7万円が不足します。また、ゆとりある老後生活を送ることを考えると、公的年金だけではお金が足りません。「会社員と公務員の夫婦」のケースでも、ゆとりある老後生活を送るためには毎月約9.8万円のお金が不足します。このように、日本の公的年金から得られるお金と、老後の生活に必要なお金には、大きなギャップがあります。このギャップを解消するには、「私的年金」や、現役世代のうちから資産運用をして計画を立てることが大切です。老後にゆとりある生活を送るため、しっかりと準備を進めましょう。
老後にもらえる公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類です。しかし、国民年金に40年間(20歳~60歳)、厚生年金に大学卒業後38年間(23歳~60歳)加入したケースを想定した場合、年金だけで老後に必要な生活費をすべて賄うのは大変です。老後にゆとりある生活を送る場合、さらにお金が必要です。「私的年金」を活用したり、積立投資信託などの資産運用に取り組むなどして、現役世代のうちから老後資金を準備しましょう。
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